声が聞こえない!?バンドに埋もれないボーカルの考え方と練習方法

バンドを組んで数ヶ月、そろそろスタジオに入って実際にバンドメンバーと合わせていく時期ですね。

特に初めてバンドを組んだ方は、スタジオに入るまではカラオケなどで練習をしていると思います。

そこから初めてスタジオでバンドと合わせてみて何を思われたでしょうか?

色々と感じることはそれぞれであると思いますが、最も多くの方が感じることの一つが「生バンドの音の大きさ」だと思います。

中には「あれ?カラオケでは聞こえてたのにバンドだと自分の声が全然聞こえない…」と周りの楽器の音の大きさと自分の声量の差に軽いパニックに陥る方もいます。

でもこれは当たり前のことで、カラオケとバンドで歌うというのは、シミュレーションゲームと現実世界くらい全くの別物なのです。

  • 格闘ゲームが強い≠実際のケンカが強い
  • サッカーゲームが強い≠プロサッカー選手
  • 野球ゲームが上手い≠プロ野球選手

が当たり前のことのように、

カラオケで声が聞こえる≠バンドで声が聞こえる

というのも当たり前のことなのです。

ではそのような状況になってしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

そこで今回はバンド演奏でボーカルが埋もれないための考え方と実際の対処法、ボーカルの人がするべき練習方法などをまとめてみたいと思います。

バンドにおけるボーカルの重要性

そもそもバンドの中ボーカルというものは、どれほど重要性の高いものなのでしょうか?

一般的にボーカルというのは”バンドの顔”として最前線に立っていなければならない最重要ポジションです。

ステージに立っているのにボーカルの声が聞こえないというのは、いわば「デートに来たのに仮面をかぶっていて顔がわからない」くらい意味がわからないものだと考えたほうがいいです。

中には「インストバンド」のようにボーカル自体がいない形態や、そのバンドの個性としてボーカルよりも楽器隊の方に注目を集めたいということもありはしますが、それはそれでメインになるメンバーが誰かいるということになりますよね?

例えばインストバンドだったら、「メインのメロディを弾くギターの音が全く聞こえない」という状態だったらまずいですよね?

楽器陣にの中に押し出したいメンバーがいたとしても、他のメンバーが目立ちたいからといってそのメンバーの見せ場を邪魔したらまずいですよね?

一般的なバンドをやる上でボーカルが聞こえないというのはそれと同じ状態なわけです。

ボーカルを務める人も楽器を担当する人もお互いにこのことをしっかり理解しておかなければ、バンド内のパワーバランスがめちゃくちゃになってしまいます。

ボーカルの人はバンドの音圧の中でも負けない声量をつけるために一生懸命トレーニングを積む。

楽器隊の人はボーカルの方の歌が生きるような音作りや音量バランスを保つように気をつける。

そうやってお互いに同じ意識を明確に持つことで、バンド全体で合わせた時にそれぞれのパワーバランスが保てるのです。

バンドですぐにできる改善方法

バンドというのはいわばチームプレイになりますので、何かが聞こえないという場合はそれぞれが個人プレーに走ってしまっていることが多いです。

チームプレイとしてバンドをt食っていくためには、ボーカルがしっかりと聞こえるようになるためにはどのようにしていけばいいのでしょうか?

いますぐに対処して変えることが出来る方法がありますのでまずはそこからやって行ってみましょう。

ボーカルに合わせた音量設定

まずはバンド全体の音量を変えていきましょう。

ボーカルが聞こえないということで悩んでいるバンドの皆さんは、みなさんで合わせて練習するときに何を基準に自分の楽器の音量を決めていますか?

多くの場合、ドラムの音量に合わせて全体のボリュームを決めていくことが多いのではないかと思いますが、ここの基準をボーカルの声量に合わせてあげるようにしましょう。

楽器というのはボリュームをツマミひとつで変えられますので、小さいと思えば大きくするようにツマミを回せばいいだけですが、ボーカルはそうはいきません。

喉にツマミがついているわけでもないですし、聞こえないからといってすぐにボリュームを上げることもできませんよね?

それに、ドラムは楽器の中でも一番音が大きく出る楽器ですので、そこに合わせていくと自ずと音は大きくなって当然なのです。

そこで基準をボーカルに合わせることで、バンド全体がボーカルの声が聞こえる範囲内で音量を調節するようになりますので、楽器の音が強すぎるということが起こりにくくなります。

メインになるパートがしっかりと映えるように全体のバランスを作っていくように心がけましょう。

ライブ時は音響さんにお願いする

ライブハウスというのは「外音(そとおと)」「中音(なかおと)」というものがあります

外音とは客席側で聞こえる音、中音とは演奏側が聞こえる音のことを指します。

ライブハウスの場合は専門の音響さんがいますので、それぞれの音を別々に調整することができます。

一般的には外音はお客さんに聞かせたい音に調整し、中音は自分たちが演奏をしやすいような音の調整をします。

中音に関しては自分たちがやりやすい音を作ればいいので、どの音が大きくなっていてもいいと思うのですが、外音はお客さんに聞いていただく音ですので、どのような音量バランスにするのかを明確にイメージしておかなければなりません。

とは言ってもそんなに難しいことではなく、「何を一番聴いて欲しいのかを明確にしておく」ということです。

多くの場合それはボーカルの歌である可能性が高いと思います。

ライブハウスで行われるリハーサルの時に、「外音がボーカルが前面に出るように調整お願いします」と音響さんに事前に伝えておくだけでそのように調整してくれます。

心配でしたら、自分自身が客席側に降りて音をチェックしてみるのもいいでしょう。

「外音もう少しボーカル大きくなりますか?」とお願いすればそのように調整してくれますし、「じゃあ全体的に楽器の音もう少し下げましょうか」とかアドバイスを出してくれる場合もありますので、どんどん希望を伝えていってみましょう。

音作りを考える

少し高度な話になりますが、それぞれの楽器の「音作り」というのはこの問題に関しては非常に重要になってきます。

特に楽器ごとに違った音域帯を担当するということができると、今までと同じ音量でも格段にボーカルが聞こえやすくなってきます。

例えば、「集合写真」を考えてみてください。

バンドメンバーが5人だった場合、その全員で集合写真を撮ったとします。

5人の身長をそれぞれの楽器の音量だと仮定すると、全員が一列に写真奥に向かって並んでいた場合一番身長が高い人は列の中のどこにいても写ることができますが、背が一番小さい人は一番先頭にいない限り前の人に被ってしまって見えませんよね?

では全員が写るにはどのようにすればいいのでしょうか?

答えは簡単で、それぞれが少しずつ横にずれれば全員の姿を写真に写すことができます。

この人を横にずらすというのが、音作りでいう「音域をずらす」ということなのです。

音域が被っていると、弱い音や音量が小さい音は強い音にかき消されてしまいます。

しかし、音作りによって音域帯をずらすことで同じ音量だったり少し小さくて弱い音だったりしても聞こえやすくなります。

例えばギターがバンド内に2人いる場合、それぞれの音のイコライザーを違う設定にしてみましょう。

一人がHigh(高音域)を強く出しているのであれば、もう片方の人はMid(中音域)かBass(低音域)を強く出すようにするとそれぞれの音のキャラクターが変わって聞き取りやすくなります。

そうやってそれぞれの音域帯を別々の場所に配置することでボーカルの声もより聞こえやすくなるでしょう。

 

3つほど考え方と方法を書きましたが、あくまでどれも応急処置的な手法になります。

明日すぐに聞こえるようになりたいという方はこれを実践することである程度解消されるとは思いますが、実はあまり音量を下げるなどの対処は演奏の迫力も無くなりますしオススメはしません。

それよりもボーカル自身がしっかりとした声量をつけ、バンドでも負けない声を手に入れることが本当に大切なことなのです。

それによって音量もそのまま保っておくことができますので、演奏の迫力や音圧も格段に変わってきます。

応急処置だけで満足せず、あくまでボーカルの方が成長しなければならないということを忘れないようにしましょう。

バンドに負けない声量を手に入れよう!

それでは次に、すぐにできることではないですが、ボーカルの方がバンドに負けない声を手に入れるためには、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか?

そもそも声量というのは日々の努力の賜物で、もちろん生まれつき声が大きな人もいますが、一般的にはトレーニングをしなければ大きくなっていきません。

その中には正しい発声方法や体の使い方など色々な要素がありますので、それこそ一朝一夕で習得できるものではないのです。

ですがよく考えてみてください。

このことを逆に捉えると、「きちんと努力してトレーニングをすれば”誰でも”声量はつく」というふうにも捉えることができませんか?

実際その通りで、声量というのはきちんとトレーニングすれば、努力次第で誰でもぶち上げることができます。

実際、私は身長170センチと男性の中では決して大きな体格ではありませんが、声量だけは周りのバンドマンの方たちにも負けたことはありません(中には185センチを超える大柄な方もいます)。

それはもともと声が大きかったわけでもなく、正しい発声法を身につけ他の人よりも少しだけ体の使い方が上手くなったからです。

文章でお伝えするには限界がありますが、ここで書ける声量を上げるための意識の持ち方やトレーニング方法をいくつか書いてみたいと思います。

そもそもみんな100%で歌ってない

おそらくほとんどの方が「今の自分の限界の声量」を知らないまま歌を歌っていると思います。

現代では歌を歌うといったらほとんどの場合カラオケで歌うことになると思います。

カラオケは部屋が狭いのでそこまで声を出さなくても声は聞こえますし、そもそもMAXの声で歌うということ自体が恥ずかしくてほとんどの方がやらないはずです。

まずはこの意識を変えて、「歌は大きな声で歌うものなんだ」という意識を植え付けなければなりません。

例えばあなたが陸上競技の指導員で、足が速くなる方法を教えているとします。

足の上げ方や手の振り方、重心の持っていき方など様々なことを教えました。

しかし、その教えた本人が「自分は歩いて練習しま~す」といっていたら足なんか早くなるわけないですよね?

まずは「速く走るんだ!」という意識がなければどんなにいい練習方法を実践したところで何の結果も生まないのです。

声量も同じことで、「俺はこのくらいの力で出した方が上手く聞こえるし」とか「私そんなに大きな声出したことないから恥ずかしい~」とか思っているうちは声量なんか上がるわけないのです。

それよりもせっかく自分のステージを見にきてくれたお友達やお客様に、「え?あいつなんか歌ってるけど全然声聞こえないじゃんw」と思われる方がよっぽど恥ずかしくないですか?

とはいっても、声だけデカくて音程めちゃくちゃというのは歌として聞いていられないので、まずはじめの段階としては「音程を取れる中で一番大きな声で歌い続ける」ということができるようになりましょう。

一曲歌って息が上がらない、汗が出ないようならそれはまだまだ本気で歌っているうちに入りません。

それができないうちはこの先の練習方法をいくら実践したところで声量は上がっていきません。

自分の殻を破り、練習を積んでいくための意識的な土台を作るためにもこれは非常に重要なことなのです。

喉を開く感覚を覚える

大きな声で歌う意識がついてきたら、次は正しい声の出し方を覚えましょう。

独学で歌を練習されている方は多くの場合、

  • 男性→高音になると喉を絞ってしまう
  • 女性→高音になると裏声に逃げてしまう

というように高音になるにつれて声の出し方が変わってしまい、本来のポテンシャルが出せないまま歌ってしまっていることが多いです。

喉をしっかりと開いたままナチュラルな声の出し方で歌えるようになると、それだけで声量ももちろん上がりますが、その人が持っている本来の歌唱力を引き出すことができます。

それではどのように喉を開く感覚を養っていけばいいのでしょうか?

まず普通に喋るときくらいの音量で構いませんので、少し自分の中で低めの声で「あーーー」と声を出してみてください。

人間というのは低い声を出したときに喉を絞るということはまずないので、その低めの声で「あーーー」と声を出したときの喉の感覚が開いている状態です。

高音を出すときもこの喉の感覚を保ったまま出せると最高なのです。

高音を出すときに「高い声ださなきゃ…!」と思って出してしまうと喉が絞りやすくなってしまうので、「大きい声を出すぞ!」と思って思い切って声を出すと喉が開けたまま高音を取りやすくなります。

人間には大きな声を出そうとすると自然と小さく出した声よりも音程が高くなるという性質があります。

この声本来の性質を利用して出すことで喉が開いた状態のナチュラルな高音を出すことができます。

もう一つの感覚の掴み方としては、1キロ先にいる人を呼ぶような感じで「おーーーい!!!」と叫んでみましょう。

このときに、「お”ーーーい!!」とガラガラ声にならないように出せる範囲で出してみてください。

自然と声が高くなりませんでしたか?

このように遠くの人に届くように「声を飛ばす」という感覚で出していくのもいいと思います。

2種類の「喉を開く感覚の掴み方」を書きましたが、要するに何が言いたいかというと、「高音域は思い切って声を出せば意外と出る!」ということです。

女性で裏声に逃げてしまう人も同じで、一度でいいので騙されたと思って高音を出すときに裏声に逃げず、地声で思い切って大きな声を出して音を取ってみてください。

実際に歌っている歌手だってプロとはいえ同じ人間なわけですから、思い切って出してみれば意外とそのまま届いたりします。

これがしっかりとできるようになるだけでも、声量は以前と比べて格段に上がっているはずです。

そして、それが本来のあなたが持っている声量に関するポテンシャルなのです。

つまり、もともとそれだけの声量を出せる力をあなたは持っていたということです。

ここまではあくまで本来のポテンシャルを引き出すためのもので、次の項目からはそこからさらに声量を上げるために必要な要素になってきます。

腹式呼吸で歌う

歌を歌う上で”呼吸法”というのは非常に重要な要素です。

皆さんは「腹式呼吸」という言葉を聞いたことがありませんか?

日本人は普段の生活の中では「胸式呼吸」という呼吸法をしています。

胸式呼吸というのは文字通り「胸で息をする」という呼吸方法で、大体の人は歌を歌う時にもこの呼吸法のまま歌っています。

分かりやすい目安としては「呼吸した際に肩が上下する呼吸」だと胸式呼吸になっている証拠です。

しかし歌を歌う時には、ジャンルを問わず一般的に腹式呼吸で歌うのがセオリーです。

腹式呼吸は胸式呼吸と違い胸や肩が上がることはなく、代わりにお腹が膨らんだり凹んだりします。

自分のお腹を風船だと思って、息を吸い込む際にはお腹が膨らむ(風船が膨らむ)、息を吐き出す際にはお腹が凹んでいく(風船が萎んでいく)というイメージを持ちこの呼吸法を練習してみましょう。

感覚がよくわからない場合は仰向けの状態になって、お腹に手を当て普段通り息をしてみてください。

呼吸した時にお腹が膨らんだり凹んだりしているのが手でもわかると思います。

仰向けの状態というのは人間が1番自然に腹式呼吸を行える体制ですので、立ったままの状態で中々上手くいかないという方は、仰向けの状態で練習すると腹式呼吸の動きのコツが掴みやすいので是非やってみてください!

そしてこの呼吸法が身についてきたら、そのまま歌を歌ってみましょう。

「声が出る=息が出ていっている」のでお腹は凹んでいき、「ブレスをする=息を吸い込む」のでお腹が膨らむはずです。

はじめのうちはカラオケなどで練習する際、マイクを持っていない方の手をお腹に当てて歌っている時のお腹の動きを手でも感じながら練習に取り組みましょう。

変に意識しなくても腹式呼吸のまま歌うことができるようになれば、その呼吸に乗せて声を出せるようになってくるので、そうすると今までよりもエネルギー効率が良くなり同じ力でも大きな声が出せるようになっていきます。

マイクはいらない!

皆さん歌を歌うときにはもちろんマイクを使って歌っていると思いますが、声量のトレーニングをしたいのであればマイクは無しのまま練習するのもいいです。

マイクというのは声を大きくしてくれるものですが、それを使うことでいつの間にか大きな声を出そうとする意識が薄れていたり、マイクの音量を上げて満足してしまうなど、無意識的に声量のトレーニングを妨げてしまうケースもあります。

マイクを使わないで練習をすると当然その分声を大きくしてくれるものがないので、なんとかして聞こえるようにと色々と考えます。

その結果、同じエネルギー量でもより大きく声が出るエネルギー効率のいい声の出し方や、体自体が声で響く感覚などを勝手に覚えていきます。

例えばマラソン選手の高山トレーニングというのは、あえて酸素が薄い高地という過酷な環境下でトレーニングを積むことによって、低酸素でも効率よく酸素を取り込めるように心肺機能を無理やり順応させていくというトレーニングです。

そこから通常の平地に戻ると、過酷な環境下でも耐えられるほど鍛えられた心肺機能で走ることができるので他の選手よりもより高いパフォーマンスができるようになります。

つまり人間の体は「与えられた環境に勝手に順応しようとする」ようにできています。

そしてこれは声量のトレーニングに関しても全く同じで、あえてマイクなしという過酷な環境で歌うことで、「どうしたらこの環境下でも声が聞こえるようになるんだろう?」と体が勝手にその環境でも一定の成果が出るように勝手に順応し始めるのです。

少し強引な練習になりますが、これを積み重ねることで本当の自分の地の力を鍛えることができるます。

まとめ

今回はバンドでボーカルが聞こえないときの対処法をいくつかまとめてみました。

精神論的になってしまった部分もありますが、ボーカルの力というのは目に見えないものですので、自分自身の気持ちというのも非常に重要なところになります。

また、トレーニング法に関しはなるべく専門的な言葉などはつかっていません。

ボーカルというのは体が楽器になります。

ですので専門用語をたくさん覚えて理論的なことが頭に入ったとしても、実際にそれが自分の体で体現できないのであれば何の意味もないのです。

ですのであえて専門用語ではなく、実際に誰でもイメージがつきやすい状況などを例えに出してトレーニング方法や考え方を説明しました。

文章では伝えきれない部分は多々ありますが、新しい考え方や練習の参考になれば幸いです。

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