みなさん、ギター練習は捗っていますか?
練習したりケースからギターを出しているだけでも、数日中に「あれ?なんか弦がザラザラしてきたぞ?」という変化が起こってきませんか?
これはギターの弦が錆びてきた証拠です。
弦は金属でできたワイヤーのようなものですので、練習の際についたてあかや、もちろん空気分触れているだけでもだんだんと酸化が進み表面に錆が出てきます。
そして皆さん、まさかそのまま「まぁ、別に弾けるからこのままでいっか」とその状態を放っておいていませんか?
弦が錆びたままギターを弾き続けることは実は非常に危険なことで、せっかく手に入れた自分の大切なギターをダメにしてしまう可能性が…。
錆が出てきたらすぐに弦を交換する必要があります。
その時に初心者の方だと、「楽器屋さんに持っていけばいくらかででやってくれるか」と楽器屋さんに持っていくか違います。
それでも弦は交換できますから別にいいのですが、弦というのは消耗品で早いものだと数日で錆が出てくる場合もあります。
その度にわざわざ楽器屋さんに持って行ってお金を払って弦を交換してもらうというのは、正直非常にお金と時間がもったいないです。
ギタリストたるもの自分のギターの弦くらい自分で変えられるようになって当然なのです。
そこで今回は誰でもできる弦交換の手順とギターの弦に関して知っておくといいことをまとめていきたいと思います。
目次
弦の種類と選びかた
まずはエレキギターの弦そのものについて少し勉強してみましょう。
楽器屋さんに弦を買いに行くと、素材や太さなど弦一つでも様々な違いがありますので、莫大な種類の弦がおいてあります。
値段ももちろん違いますので、それぞれの要素がどのように違いを生み出すかみて行ってみましょう。
弦の素材について
まずは弦を作っている素材についてです。
基本的にはワイヤーのような金属のものになりますが、その金属の違いによって弦の個性と特徴が変わってきます。
ここでは割と一般的なエレキギターの弦をピックアップしていきます。
ニッケル弦
最もスタンダードな弦の素材になります。
ピアノ線にニッケルという金属を巻いたもので、比較的錆に強いとされています。
エレキ弦の市場の中で最も広く普及している素材です。
ステンレス弦
ステンレスはニッケルに比べると割と硬い素材になり、出音は乾いた感じの印象になりますのでブルースなどを演奏するギタリストなどによく好まれているようです。
カッティングなんかの時も非常にシャープでキレのある音を出すことができるでしょう。
こちらも汗などの汚れには強く錆びにくいという特徴のある金属ですので、割とコスパはいいと思います。
コーティング弦
弦の表面に特殊なコーティングを施すことにより、従来よりもはるかに長く錆びから守ることができる弦です。
1セットの値段自体は高いですが、一般的な弦よりも4倍近く長持ちするとされているので長い目で見るとこちらもコスパは高いです。
出音はコーティングのついている分少しウェットな感じの印象を受け、サステイン(音の伸び感)も多少短い感じはしますが、それが好きという方ももちろんいますし、何よりも練習用に貼っておくなら、手間やコストを考えるとこの弦がおすすめです。
弦の太さについて
エレキギターの弦はセットで買うと1セットに6本の弦が入っています。
当たり前ですが6弦が一番太く1弦が1番細いという形になるのですが、この太さを表すのが「ゲージ」という言葉です。
ゲージはその縁の太さを「インチ」という単位で表したもので、例えば「.009」というように弦のパッケージに表記がされていた場合、この弦の太さは「0.009インチ」ということになります。
多くの場合がパッケージに「.009~.042」のように表記されており、数字の小さい方が1弦の太さ、数字の大きい方が6弦の太さを表したものになります。
また、同じメーカーの同じシリーズの弦でも様々な弦の太さがあり、それぞれ「ライトゲージ」「ミディアムゲージ」「ヘヴィーゲージ」などの表記がパッLエージにされているので、それによってだいたいそのパッケージに入っている弦の太さを知ることができます。
もちろん1・6弦以外の弦の太さも書いてありますので見たい場合はそちらの表記も参照しましょう。
一般的には、
細い弦 | 太い弦 |
---|---|
貼った時に弦の張力が弱く押弦しやすい | 貼った時に弦の張力が強く押弦に力が必要 |
軽い感じの出音 | 太く力強い感じの出音 |
となっており、メタルなどを弾く人は「ダウンチューニング」と言って、弦を少し緩ませた状態のチューニングで弾く場合が多いため太い弦を使って力強い音を出していきますが、初心者の方は基本的には「レギュラーチューニング」で練習や曲を弾くことが多いと思いますので、細い弦を張っておくと押弦しやすくなりますのでおすすめです。
初めのうちは自分が買いたいメーカーの弦の中で、一番細いゲージのものを買うようにしておきましょう。
おすすめの弦
楽器屋さんに行くとたくさんの種類の弦があり、初心者の方は何が何だかわからないと思いますので、いくつかおすすめのメーカーをピックアップしておきたいと思います。
アーニーボール
世界中のトップギタリストから愛されている人気ナンバーワンと言っても過言ではない弦メーカーです。
音もクセがなくバランスのとれた出音で、どんなギタリストでもジャンル問わずに使っていくことができる万能弦ともいえるでしょう。
それでありながら値段も非常に良心的で初心者の方でもお求めやすい料金となっています。
1セットだけでなく、予備の分も買ってギターケースの中に保管しておくと安心ですね。
ダダリオ
アーニーボールと並びエレキギターの弦の中でも最も人気の高い弦メーカーです。
プロから初心者まで幅広く愛されているこの弦は、アーニーボールの弦と価格・音ともに似ており、初心者でも手の出しやすい弦となっています。
そしてダダリオの大きな特徴が、弦の先っぽについている「エンドボール」と呼ばれる部分が1~6のそれぞれの弦んで色分けされているため、「あれ?これ何弦だ?」となって胃しまう恐れがありません。
そういう点ではアーニーボールよりももっと初心者の方に扱いやすい弦かもしれませんね。
エリクサー
この弦は上の二つとは違いコーティング弦になります。
したがって値段は上の二つのおよそ3倍ほどになりますが、上の二つの弦は1週間もすれば錆び始めるところを、エリクサーなら使い方によっては半年ほど持つ場合もあるため長い目で見るとコスパは非常に良いです。
長い期間生き生きとした弦の振動を保つことができるためプロのミュージシャンにも愛用者が多い弦です。
弦の恋歌が少ないため弦交換の回数も少なくて済みますので、特に複数本ギターを持っている人なんか日は是非おすすめです。
で音は上の二つとは少し異なり、弦にコーティングがされている分少しウェットな感じの印象になります。
実際に弦交換をしてみよう!
それではいよいよ弦交換の手順について説明していきたいと思います。
弦交換というのはギターの種類によっても様々ですので、今回は一番一般的な「ストラトキャスター」と「レスポール」の弦交換の手順を説明していきたいと思います。
用意するもの
ギターの弦を交換する際には、
- 弦を切るためのニッパー
- 交換用の新しい弦
の二つが最低限あればできます。
ですが、できれば弦交換の際はギター本体を掃除してあげたりメンテナンスをするチャンスなので、それ用に
- 楽器用のクロス
- ボディを拭くためのポリッシュ(磨き剤)
- 指板用オイル(オレンジ/レモン)
なども一緒に用意してこの時に一緒にメンテナンスをしてあげると良いと思います。
ストラトキャスターの場合
ではまずストラトキャスターの場合の手順を説明をしていきたいと思います。
※はじめのうちは弦交換する前に必ずペグ部分の写真を撮り、弦の巻く方向を忘れないように残しておきましょう※
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STEP.1ペグを回し全ての弦を外していくペグをどっちに回したら弦が緩むのかわからない人は、一度外したい弦を弾いて音を出しながらペグを巻いてみましょう。
音が低くなる方向が弦が緩む方向です。
また、この際に弦を抜いた部分から新しい弦を入れていくので覚えておくと次の手順が楽です。 -
STEP.2掃除などのメンテナンスをする
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STEP.3新しい弦のセットから6弦を取り出し、ボディ後ろに開いている穴から通していく古い弦を抜いた際と反対の手順で新しい弦を通していきます。
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STEP.4ネックに一番近いペグに弦を通す
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STEP.5弦を巻いていく(はじめに撮った写真を見て、弦を巻く方向を間違えないようにする)弦をピンと張った状態から巻き始めるのではなく、少し緩めて(ペグ2本分くらい余裕を持って)余裕があるようにしてから巻いていく。
またペグに巻きつける弦は、1周目より2周目の方が下、2周目より3周目の方が下になるように巻いていく。 -
STEP.6他の5本の弦も同じ要領で巻いていく後でチューニングをしますので、この時点ではそれほどきつく巻く必要はありません。
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STEP.71~6のそれぞれの弦を引き延ばすような感じで軽く引っ張るあまり強く引っ張りすぎると切れてしまいますので、あくまで伸ばす程度にしましょう。
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STEP.8最後にそれぞれの弦をチューニングする
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STEP.8余った弦をニッパーなどで切る
という手順になります。
ここでは一般的なタイプのストラトキャスターの弦交換の仕方を書きましたが、個体によってペグの仕様が少し違う場合もあります。
具体的には「事前に弦の余った部分をある程度の長さできり、ペグ上部から差し込んでいくタイプ」や「ペグにロック機能がついていて、しっかりと弦を伸ばした状態でペグに差し込みネジなどでロックするタイプ」などです。
その仕様の違いによって④・⑤の手順が少し変わりますが、他の項目はどの仕様だったとしても変わらないやり方です。
レスポールの場合
今度はレスポールの場合の手順を書いていきたいと思います。
基本的にはストラトと変わりませんが、大きく違う点が2つあります。
それは「弦を通す場所」と「ペグの配置」です。
ストラトキャスターの場合弦を通すのはボディの裏側部分にある穴から通したと思いますが、レスポールの場合は「テールピース」と呼ばれる部品の部分から弦を通していきます。
こちらも弦を外す際にどこから弦を抜くのかを確認して、その弦を抜いた場所から今度は新しい弦を指していきます。
また、ストラトキャスターは片側に全てのペグがあるため弦を巻いていく方向は全て同じでいいのですが、一般的なレスポールの場合は左右対称に3つずつのペグが配置されています。
ですので左右に配置されたペグによって弦を巻いていく方向が変わるのです。
なのでレスポールの弦交換の際にも必ず弦を外す前にヘッド部分の写真を撮っておき、弦を巻いていく際には必ずその方向で巻いていくようにしましょう。
簡単にいうと「右側のペグには時計回りで巻いていく」「左側のペグには反時計回りで巻いていく」という形になります。
また、弦を外す際にはどの弦がどのペグに巻き付いていたかというのも覚えておくようにしましょう。
他の手順はストラトキャスターの時と変わりません。
錆びた弦をほったらかしておくと…
弦が錆びたら交換する、これはギターを演奏する人にとって当たり前のことです。
しかし中には学生さんの方や忙しい社会人の方など、お金・時間などの面で弦交換をすることが億劫になってしまい、結局そのまま弾いている人もいらっしゃいますよね?
気持ちはすごくわかります。
が!それをほったらかしたままにしておくと取り返しのつかないことになるかも知れません。
錆びた弦を放置したままにしておくとどうなってしまうのでしょうか?
指が痛くなる
弦が錆びると弦の表面に錆によるざらつきが出てきます。
スライドなどの双方では弦の上を指が滑りますので、当然ザラザラしたものの上を滑る時には痛くなります。
そうすると練習の意欲もだんだんと薄れていき、挙げ句の果てにはインテリア行きなんてことになってしまうかも…
音の劣化
弦自体が劣化すればその弦から奏でられる音も当然劣化します。
具体的には、少し曇ったような印象の音になったり、サステイン(音が伸びること)が悪くなったりして演奏にも影響してきます。
常にいい音で練習するということは自分自身の耳を鍛えるということにもなりますので、とても大切なことなのです。
フレットへの影響
そしてこれが一番問題としなければならないことです。
錆びによってざらついた弦はギターを弾く際にどこに触れるのか。
それは「フレット」です。
押弦した際にその錆びついた弦がフレットに擦れることで、錆びていない弦で演奏するときよりもフレットへの摩擦が激しくなり削れる量が増えてしまいます。
またフレット自体も金属ですので、錆びた弦をそのまま放置しておけば当然その錆びがフレットに移ってしまうこともあります。
フレットに錆びが乗ってしまうと、楽器屋さんなどでフレットを削ってもらわなければならなくなってしまったり、最悪の場合フレット自体がダメになって全て打ち直さなければならなくなる可能性も0ではありません。
いつまでも大切なギターを長く使っていくためにも錆びた弦で弾くということは絶対避けなければならないのです。
まとめ
今回ギターの弦交換について解説していきました。
弦交換ははじめのうちは「一世一代のイベント」みたいになります。
6本全て交換するのにも1・2時間かかって当たり前だし、その分すごく疲れると思います。
しかしこれも最初だけで、5回くらいやっていればだんだんと要領がつかめてきて週十分でできるようになります。
それにせっかく一緒に音楽を頑張っている自分の相棒はしっかりとした状態に保っておいてあげたいと思いませんか?
ギターという楽器は年月を重ねるごとにだんだんと育っていく楽器です。
それは見た目だけでなく、音や楽器自体の雰囲気も演奏者と一緒にだんだんと成長していくものなんです。
弦交換しかり、日頃からメンテナンスをしっかりとしていれば、ギターも必ずあなたのその行動に答えて成長してくれます。
自分自身の大切なギターです。日々しっかりメンテナンスして長い間可愛がってあげてください。