近年メジャーシーンで活躍する若手アーティストの大きな特徴の一つが、男性でも女性アーティストと変わらないくらいの高音を使っていることが挙げられます。
具体的には、”WANIMA”、”[ALEXANDROS]”、”UNISON SQEAR GARDEN”、”ONE OK ROCK”、”Official髭男dism”などに憧れて女性顔負けの高温に憧れを持つ男性も多いのではないでしょうか。
また、ボーカロイドなどの曲も流行したことにより、女性の中でもそれらの曲が原キーで歌えるほどの高い声に憧れを持つ人が増えてきたと思います。
しかし実際にカラオケなどで歌ってみると、あまりの音域の差にほとんどの方が愕然としたはずです。
彼らはもちろんプロですからこのくらいの音域が出て当たり前なのかもしれませんが、とはいえ同じ人間です。
練習すれば私たちにも出すことができるのではないでしょうか?
そこで今回は、音域やキーというのものに対しての考え方や、どうしても高い声が出したい人への対処法や練習方法などをいくつかまとめていきたいと思います。
目次
音域をあげるってどういうこと?
そもそも音域というのは人にとってどのようなものなのでしょうか?
例えば、25歳で身長が170センチの男性がいたとします。
その男性は毎日身長を伸ばすために牛乳をたくさん飲んだりしっかりと睡眠をとったりと努力をし続けました。
その結果5年後の30歳になった時、その男性の身長が180センチ、185センチになる可能性はどのくらいあると思いますか?
残念ですが、答えはほぼ0%だと思います。
そのような努力を惜しまなければ身長自体は伸びると思います。
ですが、いくら頑張ったとしても25歳の時点で身長が170センチの人は、5年で伸びたとしてもせいぜい2~3センチくらいのものでしょう。
それでも目標値まで身長を伸ばしたければ、おそらく手術をするとかそういう全く別のやり方になってくると思います。
逆にいうと180センチの身長になる人というのは、別に特別なことをしなくたって放っておいても勝手にその身長になるはずです。
音域もこれと全く同じと考えていただいていいです。
少し酷なことかもしれませんが、その人の音域というのは生まれながらにある程度決まっているもので、努力で広げることもできますが限界があります。
プロの方々が歌っている音域というのは、もちろん私たちでは想像もできないような努力の賜物ではありますが、ほとんどが生まれながらに持ち合わせた「才能」のようなものなのです。
中には努力でその才能を超える方もいらっしゃいますので、絶対に無理というわけではないと思いますが、そのくらい音域を広げるということは難しく大変だということを理解しておくべきかなと思います。
キー選びの重要性
次はキーというものの概念について書いていきます。
みなさんはファッション雑誌を読んだことがありますか?
最近では携帯のアプリなどでもモデルさんや一般の方のファッションを見ることができるようになりましたよね。
例えばそれらのもので、いいなと思える洋服を見つけたとします。
その服を着こなしているモデルさんは185センチ、あなたは170センチの身長と仮定してください。
あなたはそれが売っているお店に買いに行き、店員さんに同じものをくださいと言いました。
店員さんはあなたに言われた通りそのモデルさんの着ていたものと同じデザインの「Lサイズ」を持ってきました。
モデルさんは185センチなのでLサイズがぴったりのサイズでそれを着ていたからです。
しかしあなたは170センチしか身長がありません。
そうなってくると、同じデザインの服を着たとしてもあなたはLサイズの服ではおそらくブカブカでカッコ悪いのではないかと思います。
そこは自分の体型を考えてMサイズや場合によってはSサイズを着た方が自分の体にあっていてカッコ良く着こなせるはずです。
それは別にモデルさんよりも小さなサイズの服だからといって負けだとかっていうわけではありませんよね?
むしろそこで「いや!このモデルさんがLサイズを着てるんだから俺だってLサイズの方がいい!」というのはおかしいです。
つまり、
- 人それぞれ身長や体型が違うわけだから会う洋服のサイズも自ずと変わってくる
- 自分にあっていないサイズの洋服を選ぶのはむしろかっこ悪い
ということです。
曲のキーというのはこの洋服のサイズと同じ考え方です。
声の高さは人それぞれで、その人その人によって一番かっこよく歌えるキーというのは違うのです。
原キーというのは「アーティスト本人が一番うまく・気持ちよく歌えるキー」であって、そのキーにこだわるというのは、「自分に合わないサイズの洋服をあえて買っている」ような感じなのです。
それなら自分が一番うまく歌えるキーで歌うのが、自分の体にあった洋服のサイズを着ているということになり、その方が断然かっこよく聞こえます。
たまに「原キーで歌えることが偉い」くらいに言っている人も見かけますが、それは「自分の体型関係なくモデルの人が来ているサイズを買うのが偉い」といっているように聞こえて「そんなわけないじゃん笑」といつも思ってしまいます。
そのくらい原キーにこだわるということは、はっきり言って「無意味」なことなのです。
それよりも自分にあったキーで歌うということだけで、歌というのは格段にうまく聞こえるようになりあなたの歌声の良さがより顕著に現れるようになります。
それでも高いキーで歌いたい…!
ここまで「音域を広げること」「原キーで歌うこと」が何を意味しているのかを書いていきました。
しかし、「本来はそうかもしれないけど、だからって高い声を諦めるのは…」というのが実際のところ本音ではないかなと思います。
実際私も、これらの考え方について理解していますので自分に合うキーで歌うことしかしませんが、「これが原キーで歌えたらな~…」と思うことがあるのも事実です。
実際に音域をあげるためには本人の努力なのでここではどうすることもできませんが、練習方法や他対応する方法は書くことができるので、それらをまとめてみたいと思います。
正しい声の出し方を覚えよう!
まずは正しい声の出し方を覚えていきましょう。
大体の人が歌を歌うときに正しい声の出し方をできていないために、自分の本来持っている音域よりも狭いところでしか歌えていないという場合が多いです。
正しい声の出し方を覚えるだけで本来持っている音域をフルで使うことができるようになり、それだけでも音域が広がった感じがします。
具体的には、
- 正しい呼吸法(腹式呼吸)
- 喉を開いた歌い方
- 自然な発声での高音の感覚
などです。
それぞれを一つづつしっかり練習してくのがもちろん最高で確実ですが、もっと手っ取り早くという人は、大きな声が出せる環境(カラオケや河原など)で「あーーーー!!!」と大きな声で叫んでみてください。
この時の注意点としては、「あ”ーーーー!」とがなってしまったり「キャーーーー!」と裏声になってしまったりしないように、地声である程度綺麗な声を保ちながら叫んでみてください。
このときに、自分の声が高くなっていることに気がつきましたでしょうか?
ここでは「大きな声を出して」と書いただけで、あなたはそれを実践しただけのはずなのに、なぜか声の高さまで高くなったはずです。
人間の声というのは”大きな声を出すと自然と音程も高くなる”という性質があります。
逆に低い声で大きな声というのは出せないはずです。(試しにやってみてください)
この声の性質をうまく使うことができれば、高音が苦しくなくナチュラルに出すことができ、それだけで今まで苦しくて出せなかったところの音域が楽になるはずです。
歌を歌う際に高音が来ると思ったら、その部分を「高い声を出そう!」ではなく、「大きな声を出すぞ!」という意識で歌うように心がけてみてください。
裏声を使おう!
人間の声というのは大きく分けると地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)に分けることができます。
一般的に地声は低い音、裏声は高い音が得意とされています。
この裏声を使うことで地声の音域ではどうしても届かなかった部分の声を出すことができます。
女性でいうと有名人に会ったときやジェットコースターに乗ったときに出る「キャーー!」という声ですね。
女性でこの声が出ない人は少ないと思いますが、男性ではたまに裏声自体が出ない人がいます。
その時はまず裏声を出す練習から始めてみてください。
わかりやすいのは猫の鳴き真似です。
「にゃ~」と言うときにほとんどの方は高い声で真似すると思いますが、その時の声が裏声で出す場合が多いです。
何度か繰り返して裏声を出す感覚自体が掴めたら、今度は曲で練習しましょう。
キーを5個くらいあげて曲の全てを裏声で歌い、出しやすいポイントなどを体で覚えていきます。
何曲かやったら原キーに戻して、地声では届かないところや出しにくいところを裏声で歌ってみましょう。
実際にアーティスト本人が地声で歌っているところでも自分が届かないところなら裏声に変えてしまって構いません。
これを使うことができれば、本人と同じとまではいかなくてもかなり音域が広がるはずです。
地獄の猛特訓!
最後にあまりおすすめではないのですが、時本当の意味で音域を広げるための練習方法を紹介しておきます。
カラオケなどで結構なので、自分の好きな曲を入れてください。(練習中は毎回違う曲を歌ってもいいです)
曲を入れたらその曲のキーを5個上げましょう。
大体の場合、男性曲は女性が歌うのに適したキーになります。
その状態で曲の全てを地声で歌い切りましょう。
本人が裏声を使っている部分に関してはいいですが、それ以外は絶対に裏声に逃げず地声で歌いきってください。
それを2時間なら2時間ずっと続けます。
そうすることで単純に高音域の使い方に慣れてくるので今まで自分が得意としていなかった音域の出し方を体感で覚えることができますし、高い声を出すための声帯の筋肉が鍛えられてきますので少しずつではありますが、音域の限界値が上がっていきます。
ただし、1回2回では効果は出ませんので、最低でも1・2年くらいはそれを毎日続けてください。
これはかなりの荒療治で確実に声がつぶれると思いますので、上にも書いた通り決しておすすめできる練習方法ではありません。
整体に傷がついて声が出にくくなったり、そこからポリープができてしまうケースも少なくないので、やられる方は自己責任で取り組みましょう。
まとめ
今回は高い声に関する考え方と練習方法をまとめてみました。
人には100人いれば100人にそれぞれの良さがあります。
隣の芝生は青く見えるという言葉があるように、あなたの憧れるアーティストさんたちの高音というものは確かに素晴らしいかもしれませんが、あなたにもそれと同じくらい素晴らしい何かが絶対に備わっています。
むしろそのようなアーティストさんたちの中には自分の高い声にコンプレックスを抱いているという人もいます。
原キーというのは、「そのアーティストさんが一番うまく歌えるキー」という話をしました。
あなたはその原キーでは歌えないかもしれませんが、あなたが一番歌いやすいキーではそのアーティストさん本人よりもあなたの方がうまく歌えるのかもしれません。
今の自分が一番うまく歌える状態を見極めることこそ、高音をうまく出せるようになることよりも何十倍も大切なことなのです。
その中で今よりももっと高い音域が歌えるようになるため練習を積み重ねていけば、2つの方面でうたが上達していくことでしょう。
独学よりもボイトレに通った方が数倍上手くなる!?
今では本やインターネット、YouTubeなどでも気軽にボイトレを学ぶことが出来るようになりました。
しかし、そんな中でもボイトレに通う人は増え続ける傾向にあり、ボイトレに通った人の方がより最短で、より上達するという声が多く上がっています。
その一番の理由は「ボイトレは人によって違う」からです。
人によって声質や癖・得意なところや弱点などはバラバラです。なので、同じことを練習するのにも人によってやり方は大きく変わります。
独学だとあなたの体質などに関わらず、一般的な基礎を学ぶことになるので、自分にとって最適な練習法も分かりませんし、本当に出来ているのかどうかにも気づけません。
一方マンツーマンのボーカルレッスンでは、あなたに合ったレッスンプランを作ってもらえるので、数回レッスンを受けるだけでも効果が実感できるほど効率よく練習することができます。
歌は年齢に関わらず何歳になっても歌う機会がなくなりません。そんな中でボイトレを始めるのに遅いことはありませんよね。
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そこで培った知識や実力や、音楽プロデューサーの一面もあることにより、プロを目指す人にはオーディションの推薦・対策をしてもらえたり、民法のカラオケ番組への出演の推薦など、デビューへのサポートをしてもらうことができます。
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