教本やネットのサイト・動画などで基本を学び練習を積み重ねていくと、やはり曲をやりたいという気持ちがだんだんと出てきますよね。
「知ってる曲を弾いてみたい」「今の自分でどこまでできるのか知りたい」など曲に挑戦する理由というのは様々だと思いますが、とにかく曲が弾けるようになるというのがある種のひと段落と考えることもできます。
しかし、この段階というのは実は少し危険な時期で、というのもいきなり自分のやりたい曲だからといって難しい曲に手を出してしまうという方も多く、そうするとあまりにも手も足も出なくなってしまい、最終的には挫折してベースがインテリアになってしまうなんてケースも少なくないのです。
曲を練習していくにもやはり段階というものがあり、自分の好きな曲をやるなというわけではないですが、まずは簡単でも一曲弾けたということが後々自信となって上達を手助けしてくれます。
そこで今回は、ある程度ベースの基礎練習を終え、これから曲を練習してみたいと思っている初心者ベーシストさんのために、「初めてやる曲はこの曲がおすすめ!」というものを何曲かピックアップしてみたいと思います。
もちろんここに書かれている曲からじゃなくてもいいのですが、そのようなベーシストさんたちの自信につながるような記事として読んでいただけたら嬉しいです。
目次
初めての曲はどんな曲がいいの?
ここにあげる曲以外にも弾きやすい曲といのはたくさんあるのですが、ではどのような基準で選ぶと簡単な曲に当たりやすいのかということを書いていってみたいと思います。
テンポがあまり速くない
まず注目したいのが「曲のテンポ」です。
ベースという楽器は、同じフレーズを弾いたとしても速いテンポで弾くのと遅いテンポで弾くのでは、圧倒的にテンポが遅い方が難易度が低いです。
テンポが早いということはもちろん左手のフィンガリングも早くなりますが、それ以外にも右手の指の周りも早くする必要が出てくるので慣れていないうちは力が入りすぎたりしてしまい乳酸が溜まってついていけなくなったします。
後々速い曲に挑戦しなけれべいけないときは絶対にくるので避けては通れない道ではあるのですが、一番初めにそのような曲に挑戦してしまうと「左手だけでもついていけないのに、右手はめっちゃ疲れるし…」と様々な問題が生じてきてしまうため、心が折れてしまいやすくなります。
もちろんテンポが遅いからといって一概に簡単というわけでは決してありませんが、フレーズ自体が難しかったとしても速度がゆっくりなら追いつける場面も出てくると思いますので、それがまた自信に繋がったりします。
まずは自分の右手のスピードのキャパを知り、それが例えばBPM120の8分音符が限界ならそれよりも遅い曲から練習していく方がいいと思います。
ルート弾きの曲(同じ音ばっかりなっているような曲)
基本的には初めて弾く曲はルート弾きの曲をおすすめしています。
て数が少なかったとしてもある程度リズムがあるようなフレーズよりかは、一定のリズムでずっと弾いていればいいルート弾きの方が余計なことを考えずに勢いで弾けてしまうからです。
それに、ルート弾きはベースの基本中の基本の弾き方ですので、簡単ですが最初のうちにたくさんルート弾きの練習を重ねることで右手のリズムを安定させることができます。
またこの先難しい曲に出会った時に、その時の自分の実力ではどうすることもできないフレーズや曲に出会うことも出てくると思います。
そういった時にそういうものをルート弾きに直すことで乗り越えていくことができる。
そのくらいルート弾きという弾き方は万能な弾き方なのです。
このルート弾きの曲というのは始めたばかりの人が一人で曲だけ聴いて「あっ、この曲はルート弾きだな」と判断す流のは当然難しいと思いますので、周りにベースをやっている人がいたら「ルート弾きだけで弾ける曲ってなんかある?」と訊いてみたり、ネットでも調べればあるテオ度は出てくると思いますのでそれを参考にしてもいいかもしれません。
経験を積んである程度レベルが上がっても、このルート弾きは必ずしかも高頻度で出てくる弾き方ですので、最初のうちにしっかりと曲の中でマスターしておきましょう。
バンド編成(できればベースボーカル)の曲
これは一見意味がわかりずらいですが、要するに「バンドとして活動しているアーティストさんの曲」ということです。
その中でも、”MONGOL800”や、近年では”WANIMA”、”04 limited sazabys”のようにベースボーカルとして活動しているバンドのベースは非常に狙い目です。
なぜかというと、彼らはベースだけではなくボーカルとして歌も歌いながらベースを弾く必要があるので、その分ベースラインがシンプルに作られているものが多いのです。
ただ、これらのアーティストさんはベースラインはシンプルなのですが曲のスピードが速いものも多いので、曲の速度を落として練習したりする必要があるかもしれません。
逆に「一人で活動しているシンガーソングライターさん」の曲や、「そのバンドにベーシストがいないアーティストさん」の曲は非常に難易度が高いケースが多いです。
これらのアーティストさんは、レコーディングやライブの際にベーシストを「サポートミュージシャン」という方々に依頼をします。
このサポートミュージシャンというのは、いわゆる「楽器の腕だけでお金をもらい飯を食っているガチガチのプロミュージシャン」の方々のことです。
そんな人たちがレコーディングしているわけですから、当然次の仕事につなげるために自分の実力を遺憾なく発揮してくるわけです。
テンポが遅い曲でも手数の多いフレーズが多かったり、速いテンポの中でも動くフレーズが入ってきたり、なんならほとんどの場面で動いていたり…
具体的には、”aiko”、”秦基博”などの一人で活動しているシンガーソングライター、”スキマスイッチ”、”ゆず”、”B’z”など正規メンバーの中にベーシストがいないアーティスト、”AKB48”、”ジャニーズ”などのアイドル系は初めてコピーする曲としては不向きなものが多いです。
バンド初期の曲
みなさんが普段聴いているようなバンドさんも、もちろん今でも練習を重ねてどんどん上手くなっています。
ということは、デビュー当時の頃よりも今の方が練習や経験を重ねることで楽器の実力が高くなっているのです。
そのため初期に演奏していた曲よりも新し目の曲の方が難易度が高くなる傾向があります。
もちろん初めから実力で買われたバンドなども多いかと思いますが、中には初期の頃はまだ実力的にも未熟だったにも関わらず演奏技術ではないようなところで売れたバンドもたくさんいます。
したがって、割と新し目の曲よりもそのバンドのデビュー曲や初期にリリースされた曲の方が難易度が低く、初心者の方が練習する際にはいい場合が多いのです。
ボカロ/アニソンは不向き
最近ではボーカロイドやアニメソングも高い人気がありますが、これらの曲も初めてこ@いーする虚構としてはあまりおすすめしません。
アニメソングに関しては、タイアップの曲などに関しては一般的なバンドの曲が使われたりすることも多いのでその辺ならやってみてもいいものはあるかもしれませんが、ボーカロイドに関しては「打ち込み」という製作方法で作られているため、パソコン上などで入力することで音を出すという手法がとられています。
つまり、「人間が弾くように作られた曲ではない」ということなのです。
機械なら「4弦1Fから1弦18Fに飛ぶ」という無茶な動きがあったとしても、完璧に失敗することなく100%音が出ますが、人間がひく時にその動きはあまりにも無理があります。
打ち込み音楽のベースラインの場合は、ベースならではの効率的な運指や物理的な動きなどを無視して作られたものも多く、運指が変な動きをしたりということがよくあるのです。
対してベンドで実際に演奏されている曲というのは現実に人間が弾いている中で作られたベースラインが使われていますので、打ち込みd作られた音楽よりも考えられた運指で弾きやすいものが多いのです。
こちらも絶対に弾けないという訳ではありませんが、一曲目に練習する曲としては避けたほうがいいかもしれません。
初心者の方にもコピーしやすいおすすめ曲
それでは実際に筆者が1000曲近くコピーしてきた中で初心者の方にも弾きやすいと思った曲をいくつか挙げていきたいと思います。
小さな恋の歌(MONGOL800)
言わずと知れた沖縄出身の人気ロックバンドの代表曲であり、文化祭などでもいまだに高い人気を誇るのがこの曲です。
本人がベースボーカルですのでベースラインも非常にシンプルなルート弾きとなっています。
曲のスピードは早いですが、力を抜いて練習していけばついていくことができるようになるのではないでしょうか。
また、どうしても間に合わないなという人はピックを使った弾き方も試してみるといいかもしれません。
Wherever You Are(ONE OK ROCK)
若い世代から絶大な人気を持つロックバンドですね。
彼らの代表曲のひとつでもあるこの曲はバラードですのでテンポが遅く、また1番まではボーカル、ギター、ドラムしかいないため2番からの演奏になるというのも難易度が低い要因の一つです。
弾き方はルート弾き+1オクターブ上にがっていくベースではよくある弾き方のみで、あとは木目の部分などで少しリズムに変化がでるくらいなの非常に簡単です。
基礎練習をある程度やっていれば問題なく完コピできるレベルとなっていますので、挑戦する方は是非完コピ目指して頑張ってみてください。
シャングリラ(チャットモンチー)
バンド女子たちから絶大な人気を誇る3ピースガールズバンドで、この代表曲はいまだにたくさんの人に演奏されている人気曲です。
こちらの曲はルート弾きではなく「オクターブ奏法」という弾き方が主体となります。
ルート弾きよりは少し難易度は上がりますが、ベースの基本的な弾き方の一つですので非常に練習になる一曲です。
初めは左右の手が非常に疲れると思いますので、休みながらやるといいでしょう。
無理して練習を続行してしまうと腱鞘炎などになってしまう恐れがあり、こちらも挫折などの原因になりかねませんので注意が必要です。
少女S(SCANDAL)
人気ガールズロックバンドの曲で、サウンドや曲調もロックな印象の曲です。
この曲も本人たちが演奏する際にベーシストも歌ったりしますので、その分ベース自体の難易度は低めとなっています。
基本的にはルート弾きが主体ですが、同じような進行でも1番と2番でリズムが変わっていたり、曲の繋ぎの部分で他の楽器と合わせるためのキメが入っていたりと、非常に勉強にもなる一曲となっています。
風の日(ELLEGARDEN)
こちらも20~30代の方に絶大な人気を誇るロックバンドです。
彼らの曲は比較的難易度の低いものが多くコピーする方も多いのですが、半分以上の曲がアップテンポなもなので初めはスピードについていくことができないと思います。
しかしこの曲に関してはそんなに速度も速くなくベースラインもシンプルなルート弾きとなっていますので、初心者の方にはもってこいの練習曲となっているかと思います。
サビの途中に出てくるちょっとしたベースフレーズは、ルート弾きだけでは物足りない問い方にうってつけで、初心者の方でも頑張れば完コピできるようなものですので是非挑戦してみてください。
GIVE ME FIVE!(AKB48)
国民的人気アイドルグループが初のバンド演奏曲としてリリースし話題になった曲です。
テレビやコンサートなどで本人たちが演奏することもあるくらいなので難易度はかなり低めとなっているでしょう。
余裕があれば口ずさみながら練習などをすると、この先ベースを弾きながらコーラスをやらなければいけない場面でこの時の練習が効いてくるのではないでしょうか。
一曲弾けるよになったら
練習を重ねて何か一曲弾けるようになったら、多くの方が他の曲も練習してみたいと思うと思います。
それも自分のベースの引き出しを増やすことにとっても大切なことですが、それ以外にも練習しておくといいことがあります。
例えば、「あまり手元を見ないでも弾けるようにする」ということや「弾いている時の表情を気にしてみる」などです。
ベースを練習していくうちに、もしかすると誰かと合わせたりする場面が出てくるかもしれません。
そんな時、「手元ばかり見て無表情で楽器を演奏している人」と「バンドメンバーとアイコンタクトを取りながらニコニコ笑顔で演奏している人」だったら、どちらと一緒に組みたいと思いまか?
きっとほとんどの方が後者と答えるはずです。
ライブにもし出るとなった時にも、見ている観客の方は実力だけではなくベースを持った立ち姿や弾いている時の表情などいろいろな面を見てあなたのベースを評価してくれます。
もちろんベースが上手いことに越したことはありませんが、それにはまだまだ努力が必要なのが始めたばかりの初心者の方々ですよね。
でも、笑ったり楽しそうにするというのは人間として普段からやっていることだと思いますので、それは今すぐにでもできることなのです。
実力ががまだまだ足りない分、今の自分にできることを一つ一つやっていくだけで周りと差をつけることができますので、そんなこともぜひ考えながら練習に取り組んでみるとよりいいでしょう。
まとめ
今回はベース初心者の方に送るオススメ練習曲をまとめてみました。
曲が一曲弾けるようになるということは、今まで自分のやってきた練習が間違っていなかったという証明になりますし、その先ベースを続けていく上での自信にもつながります。
ここでは初めての曲練習でもつまずかないような難易度のものをいくつかピックアップしましたが、もちろん自分の好きな曲から練習してみるということも間違いではありません。
実際好きな曲で練習した方がモチベーションも高く練習できるということも事実だと思います。
でももしその自分がやってみたい曲をやってみて、どうしても難しくて心が折れそうになってしまった時は、ぜひこれらの曲を一回練習して「自分にはちゃんとベースを弾ける力がついてきてるんだ」ということを実感していただければ、その時引けなかった曲に対してもベースに対してもモチベーションが落ちずに居られるのかなと思います。
初めて演奏する曲は今後のベースライフに大きな影響をもたらしますので、初心者の方の参考になれば嬉しいです。