一昔前まではバンドというのは男性がやるものだという認識が広く世の中に蔓延していましたが、近年では実力はガールズバンドの登場や、ベーシストだけ女性が入っているバンドが増えてきました。
またその実力も年々上がってきており、小柄で容姿端麗な女性でも大きなベースを振り回しながら重低音を響かせている様子は男性から見てもかっこいいなと感じるほどです。
また、YouTubeなどの動画サイトでも女性のベース弾いてみたなどが高い人気を博しており、ベース女子ブームをさらに加速させているようにも思います。
今回はそんな現代の音楽シーンで活躍するベース女子をまとめて行ってみたいと思います。
彼女たちの演奏を聴いて自分のお気に入りのベース女子を探してみてください。
目次
目覚ましい活躍のベース女子まとめ
それでは、現代の音楽シーンで活躍する女性ベーシストを何人か上げていきます。
もちろんここに上がっている人以外にも素晴らしい女性ベーシストはたくさんいらっしゃいますが、まずはここにあげる女性の演奏を見てパワフルな女性ベーシストの魅力を感じてみてください。
草刈愛美(サカナクション)
2007年にメジャーデビューした「サカナクション」でベーシストを務める名実ともに日本を代表する女性ベーシストの一人です。
確かなテクニックと正確なリズムが生み出すグルーブ感、そして男性顔負けのステージパフォーマンスで多くの観客を魅了しています。
フレージンングはフージョン系を彷彿とさせるようなものが多く、リズミカルに動きのあるベースラインが好きな方にはたまらないものばかりではないでしょうか。
女性ベーシストでは数少ないベースマガジンの表紙を飾っていることからも高い実力が認められていることがわかります。
ベースを持って立っているだけでかっこいい!そんな魅力を発する彼女のベースは女性だけでなく男性からも高い人気を誇っています。
TOMOMI(SCANDAL)
2006年大阪で結成され、2008年にメジャーデビューを果たしたガールズバンド「SCANDAL」のベーシスト。
ベーシストという役割をよく理解してるように感じさせる堅実で安定感のあるプレイで、歌ものであるSCANDALの楽曲をしっかりと支えている。
世界的ロックバンド「Red Hot Chili Peppers」のベーシスト「フリー」に英曲を受けたことから、基本のプレイスタイルは指弾きとなっています。
また、彼女はベースだけでなくボーカルも担当することがあり、多彩な音楽能力を感じさせてくれます。
関根史織(Base Ball Bear)
人気ロキノン系バンドである「Base Ball Bear」のベーシストとして若い女性ベーシストから高い人気を誇っています。
「関根嬢」という愛称でたくさんのファンから親しまれており、その可愛らしルックスから男性ファンも多い。
しかし演奏スタイルは打って変わってダウンピッキングを主体とした力強いロックサウンドが持ち味で、ピック弾きならではの疾走感溢れる演奏が聴くものを魅了する。
彼女自身は日本の邦楽ロックの歴史を作った伝説のバンド「NUMBER GIRL」の中尾憲太郎に影響を受けたと言っており、演奏する姿はどこか男性のような豪快さも感じさせるものとなっています。
山内あいな(Silent silen)
読者モデルを中心に結成された人気ガールズバンド「Silent Siren」のベーシスト。
とにかく可愛らしい容姿に注目が集まりがちですが、バンドとしての演奏力にも定評があります。
指弾きが主体のプレイになりますが、そのスピード感あふれるベースプレイは高い安定感を曲の中に感じさせてくれます。
しっかりと腰を据えたロックサウンドのプレイも魅力的で、正統派のベースプレイも聞きごたえがあります。
アイドル顔負けのルックスから放たれる芯のある重低音は男女問わず多くの観客を魅了します。
345(凛として時雨)
超絶テクニックとハイトーンボーカルで若い世代から高い人気を誇る「凛として時雨」のベーシストで、本名は「中村美代子(ナカムラ ミヨコ)」。
3ピースのこのバンドで、男性2人の超絶プレイに全く引けを取らない図太く迫力のあるベースサウンドは、3人編成ということを忘れさせるほど強力な土台を形成しています。
演奏テクニックはもちろんのこと、ボーカルも勤められる彼女ならではの歌心をわかっているふフレージングはベースのいろいろな表情を見せてくれます。
また、しっかりとドライブを効かせながらも音抜けを失っていない彼女独特なサウンドも聴くものの心を掴んで離さない要因の一つでしょう。
アッコ(GO!GO!7188)
2012年に解散した3ピースロックバンド「GO!GO!7188」でベーシストとして活躍しました。
今では可愛らしい女性ベーシストが多いですが、アッコさんはまさに”バンドマン”としての装いと佇まいで、「カッコいい女性ベーシスト」という言葉がよく似合っています。
使っているベースはギブソン製の「サンダーバード」と言われるベースで、普通のベースとは一味違っったその見た目に憧れを抱いた方も多いでしょう。
小さな体でパワフルにサンダーバードを掻き鳴らす姿は男女問わず高い人気を誇っていました。
松岡彩(SHISHAMO)
今や日本のガールズバンドで最も高い人気を誇っている「SHISHAMO」のベーシストです。
初期メンバーのベーシストが脱退後、2014年に2台目ベーシストとしてSHISHAMOに加入しました。
サブカル女子を匂わせる風貌ながら演奏中にニコニコしながらベースを弾く姿は惹きつけられるものがあります。
ピックでのルート弾きを主体のプレイとしながら、歌モノを邪魔しないちょうどいいフレージングでバンドの楽曲を彩っています。
まさに女性ベーシストの王道プレイという感じですね。
FチョッパーKOGA(Gacharic Spin)
個性派アニソン系ロックバンド「Gacharic Spin」のベーシスト。
元グラビアアイドルという経歴を持ちながらも、そのベースの実力は本物で日本の女性ベーシストの中でもトップクラスの実力を誇っています。
中でも特に名前にも入っている「チョッパー(スラップ)」奏法を得意としており、その女性らしい見た目からは想像もできないパンチのあるスラップサウンドで多くのファンを魅了しています。
雑誌の表紙や教則ビデオなどにも出演しており、そのことからも高い実力が評価されていることがよくわかります。
福岡晃子(チャットモンチー)
日本のガールズバンドブームの火付け役ともなったバンド「チャットモンチー」のベーシストとして長年音楽シーンで活躍するベーシストです。
指弾きとピック弾きをバランスよく使い分け、曲の中を縫うように彩って聴くベースラインは歌心を感じさせるものばかりです。
斗出した実力があるわけではないものの、「小柄な女の子が大きなベースを弾く!」という構図が最も似合うベーシストではないでしょうか。
クールでボーイッシュな見た目ながらも、演奏中に輝く笑顔に多くのベース女子が魅了されたことでしょう。
女性にオススメのベース
それでは、これからベースを始めてみたいと思っている未来の女子ベーシストさんたちは、楽器を買うときにどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
様々な仕様のものがあり、いきなり全ての中から探そうとすると非常に大変なので、何個か押さえておきたいキーワードを書いてみたいと思います。
フレットはロングスケール!
ベースのフレットというのは、
- ショートスケール
- ミディアムスケール
- ロングスケール
など様々な大きさがあります。
スケールというのはフレットからフレットの幅のことを表しており、当然ショートスケールが一番幅が狭く、ロングスケールが一番幅が広いものとなっています。
一般的に女性は男性よりも手が小さいため、ショートスケールの方が弾きやすいとされています。
確かにその方が物理的に弾きやすいのは認めますが、私はあまりショーソルケールやミディアムスケールのベースを選ぶというのはおすすめしません。
理由はいくつかあります。
まず、ショートスケールやミディアムスケールのベースというのは純粋に個体数が少ないです。
一般的なベースというのはロングスケールで作られているため、他2つのスケールのベースを探そうとすると、それだけでデザインや価格帯などがかなり限られてきます。
また、一般的にショートスケールやミディアムスケールのベースというのはロングスケールのベースに比べて音が細いと言われています。
これは弦にかかるテンション(張力)の違いによるもので、ベース特有の太い音がなんだか物寂しくなってしまう感じがします。
確かに、初めてベースを触る女性がいきなりロングスケールのベースを触ると、フレットの広さに「これ私無理だな」と感じてしまう人も多いと思います。
ですが、これに関してはたとえロングスケールのベースだったとしても「絶対に弾けるようになる!」と言い切ることができます。
なぜなら、小さな子供ですらロングスケールのベースを使っていて男性よりうまい子もいるからです。
嘘だと思うのであればYouTubeなどの動画を見てみてください。
小学生くらいの女の子でも、大きな大人用のロングスケールのベースで見事に演奏している動画は山ほどあります。
そして、ロングスケールのベースを買うことのもう一つの大きなメリットとしては、「圧倒的に個体数が多い」ということです。
何事も続けていくために最も大切のことは「モチベーションを保つこと」ですよね。
数少ない個体数の中からなんとか選んだ一本よりも、ロングスケールだけど自分がちゃんとかっこいい・かわいいと思える一本で練習する方が圧倒的にモチベーションは上がるはずです。
そのモチベーションが上達するためには一番必要なことで、これさえあればスケールの差なんてなんの関係もありません。
女性に合わせたスケールのものを買うよりも自分が本当に納得できる見た目のものを手に入れることが大切です。
ジャズベースのネックが○!
ベースには大きく分けると「ジャズベース」と「プレシジョンベース」の2つの種類があります。
2つのベースの違いの中に「ネックの太さ」の違いがあります。
もちろん個体や使用によって一概にこうだと言えるわけではないのですが、一般的にはジャズベースはネックが細く、プレシジョンベースはネックが太いという傾向があります。
もちろん上で書いたように、ネックが太くたってジョセがそのメースを弾くことは十分できます。
しかしここに関しては、ネックの細いジャズベースの方が圧倒的に弾きやすいと思います。
また、上で挙げた「ミディアムスケール」や「ショートスケール」のベースは個体数が少ないので選びにくいためオススメしないと言いましたが、ネックの太さに関してはプレシジョンベースよりもジャズベースの方がネックが細いというのは一般的なことなので、ネックを細くしたからといって選べる個体数ば格段に減るわけではありません。
ベースとしての汎用性的にも、プレシジョンベースよりもジャズベースの方が幅広い音作りにも対応することができますので、そういった意味でも最初に持っておく一本としてはオススメです。
ピン!とくる見た目が一番
2つのオススメ要素を書きましたが、実は実際にはこの項目が一番大切です。
スケールのところにも書きましたが、ベースを購入する上で一番大切なことは「見た目」です。
楽器屋さんで楽器を見ているときに、「これかっこいいな!」「これ持ってたらかわいいなー」と直感的に自分の感情が揺さぶられるベースを買うようにしましょう。
もちろん予算との金芋あると思いますが、そのように自分の感情に訴えかけてくるような楽器と出会えれば、多少予算オーバーになってしまったとしてもあなたにとってそれだけの価値を感じさせるものなわけですから後悔はしにくいでしょう。
それに、楽器屋さんはよく「こっちのベースの方がいい音がしますよ!」「この独特の音の粘りがたまんないんだよねー!」と「音の良さ」で楽器を勧めてくる人がいます。
しかし、もちろん音の良さというのは大切な要素の一つですが、初めからその音の良さに気がつける人などいるはずがありません。
もしも楽器屋さんのいう通りいい音の楽器を購入したとしても、その楽器の持つ本来のいい音を出すためにはもちろんそれなりに実力も必要になってきます。
ドレミがおぼつかないレベルで弾いても、どの楽器も正直同じような音しか出ません。
よって、最初の段階で音など気にする必要はないのです。
そんなことよりも、「早く帰ってあのかっこいいベースを触りたいなー」とか、「私の可愛いベースみんなに見てもらいたいから練習しよ!」とか、自分の練習のモチベーションが上がるような見た目の楽器を購入することの方がよっぽど大切ということです。
自分が本当に後悔しないベースに出会うためには、
- 一つのお店だけで買うベースを決めないこと(いくつも楽器屋さんを見回ってみましょう)
- 自分の好きなアーティストさんを店員さんに伝えること(できればその人がベースを弾いている時の画像のようなものを用意しておくといいです)
- 見た目のイメージをある程度固めておくこと(ガチガチではなく”ある程度”というのが大事)
など様々なことがあります。
とにかく初めに買う一本はなるべく妥協しないようにしましょう。
ここを妥協してしまうとベースから離れていってしまうのが早くなると私は思います。
自分の本当に納得できる見た目のベースに出会った時、それがあなたが一番上達するベースだと思いますよ。
まとめ
今回は女性ベーシストにスポットを当てた記事を書いてみました。
昔に比べたくさんの女性ベーシストがメキメキと頭角を現してきており、音楽シーンの中でも非常にトレンドな要素となってきています。
ベースという楽器は比較的形になりやすく、曲などを弾くのも割と簡単にできるようになる楽器です。(もちろん突き詰めればすごく奥の深い楽器です)
また、バンドの中でも先頭に立っていくパートではありませんので、ちょっと恥ずかしがりの女性でも楽しくステージに立ったりできるパートだと思います。
バンド内の縁の下の力持ち的なポジションであるベーシスト、女性でなんの楽器をやってみようか悩んでいる方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか?