「ドラムのビートを練習したいんだけど何からやればいいか分からない!」
ドラムを始めてまず練習したいのが【ビート】です。よく「エイトビート」とか「裏打ち」という単語を聞くことがあるかもしれませんが、これらは基本となるビートのことを言います。
しかし、調べてみても専門用語が多くて分かりづらかったり、叩いてみようにも難しくて断念してしまうことも・・・。
またビートの種類も多くてどれからやっていけばいいのか迷子になってしまいます。
というわけで今回は、そんなドラムビートについて専門用語をできるだけ排除して、初心者の方にも分かりやすくまとめてみました。
記事の流れはコチラです。
- ビートに関してまず知っておきたいこと
- ドラムの叩き方
- 基本ビートパターン5選(おすすめ曲付き)
- 上達を早めるビート練習のコツ
ドラムビートはポイントをつかめばとても簡単ですし、叩けるようになれば本格的にドラムが楽しくなってきます。
是非こちらの記事を参考にしてドラムビートの練習にお役立ててみてくださいね!
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目次
ビート練習の前に知っておきたいこと
5つのビートパターンを紹介する前に、まず知っておきたいことを以下の3つ紹介していきたいと思います。
- そもそもビートとは
- ビートの種類
- 楽譜の読み方
初心者の方はもちろん、今までなんとなくで理解していた人は、是非一度おさらいしていきましょう。
ビートとは
ビートとは曲のリズムのことを言います。専門的になってしまうので簡単に解説すると、普段聞くPOPS曲の曲中にずっと流れているドラムリズムのことですね。
ドラムというとアーティストのドラムソロのように激しく叩く姿を想像しがちですが、一般的な楽曲はこのビートで構成されているので、逆を言えばしっかりビートを叩けるようになればほとんどの曲が叩けるようになるとも考えられます。
また、ビートを練習するとドラムに一番肝心なリズム感も養われますので、初心者の人はもちろんプロでも欠かさないドラマーの基礎練習ともなります。
ビートの種類
ビートの種類はジャンルによってもたくさんありますが、日本のPOPSやロックなどで使われるのは以下の5つが主流です。
- 8ビート
バラードからロックまで、幅広い楽曲に使われる定番ビート - 4ビート
ジャズからPOPSまで幅広く使われるビート - 頭打ち
リズムの頭で合わせるビート。曲中やイントロなどで使われることが多い - 裏打ち
リズムの裏で合わせるビート。軽快でオシャレな曲に多い - 16ビート
POPSはもちろんファンクにも使われる、繊細なビート
この5つのビートパターンは色んな曲で出てきますので、叩けるようにしておくと楽曲の練習をする時に
「お!この曲はイントロは頭打ちであとは8ビートで叩けるんだな」
というように理解度が増えて、叩けるようになるのも早くなります。
(文章だけでは分かりづらいと思いますので、以下に記載する【ビートパターン】にて音源付きでそれぞれの叩き方を解説していきます。)
楽譜の読み方
ビート練習の前に、まずは楽譜の読み方もおさらいしていきましょう。
ドラムの楽譜は五線譜になっていて、音符の位置で叩くところが表されています。
たくさんあるので初めは覚えるのが大変に思えますが、こちらで紹介するビート練習には「ドラム三点」という以下3つだけしか使いません。
- ハイハット
- スネア
- バスドラム
この3つはどの楽曲でも頻繁に出てくるので、まずはこの3つだけを覚えればOKです。
ドラムの叩き方
ビートの練習に入る前に、ドラムの叩き方もおさらいしていきたいと思います。
こちらではスティックの持ち方から構え方、そしてドラム三点(ハイハット・スネア・バスドラム)の叩き方を主に解説していきます。
一つずつチェックしていきましょう。
スティックの持ち方
ドラムスティックはスティックを3当分して、おしりの方にあたる部分(グリップ)を持ちます。
まずは人差し指の第1関節と親指の腹でつまむようにして持ってみましょう。
図のように、親指は上向き、人差し指は下ぎみにクロスさせるといいですね。
続いて残りの指(中指、薬指、小指)をスティックに添えます。
間違った例としては、全部の指でグッと握ってしまうこと。それだとチカラが入りすぎてしまいますので3本の指はあくまで添えるだけ。握り込まず、落ちないくらいの力でゆるく握りましょう。
持てたら、下の図のように手の甲を上向きにして構えます。
親指が上を向かないように、自然に持ちましょう。
基本の構え
ドラム3点(ハイハット・スネア・バスドラム)を叩くときの基本の構え方を見ていきましょう。
手はクロスさせて、右手は上にしてハイハットを、左手は下にしてスネアを叩きます。
右足はバスドラムのペダルの上。左足はハイハットペダルの上に乗せて、練習中は常に踏んだ状態にしておきます。
続いて椅子の高さもチェックしましょう。
両足をペダルに置いた状態で、膝が上がりすぎていないかチェックしてみてください。以下画像のように足の角度が90度以上になるくらいが良いです。(膝が上がりすぎていたら椅子をもっと高くしましょう。)
椅子の位置や高さを調節しながら、楽に踏める位置を微調整してみてください。
三点それぞれの叩き方
続いてドラム三点(ハイハット・スネア・バスドラム)それぞれの叩き方を解説していきます。
ハイハットの叩き方
ハイハットは右手で、スティックの先(チップ)ではなく銅の部分(ショルダー)で叩きます。
腕の位置は下がりぎみで、スティックはゆるく持ってシャンシャンと刻んでいきます。
また、見て分かる通りハイハットは2枚のシンバルが重なっています。
こちらはペダルと連動していて、踏むとクローズし、離すとオープンになります。
練習時には基本クローズしたままにしておきますので、左足はハイハットのペダルの上に置いておいて踏んだままにしておきましょう。
スネアの叩き方
次にスネアです。左手で「タンッ!」と気持ちよく叩いてみましょう。
ポイントとして「スネアは真ん中」を狙うこと。スネアは叩く場所によって音が変わりますが、どこを叩けばいいのかは状況によりますので、一概にどこを叩くとは言い切れません。
しかし初めはどこを叩くかよりも「狙ったところを叩けるか」ということが大事なので、毎回当たるところが変わって音がバラバラにならないように、まずはスネアの真ん中を狙って叩けるように練習していきましょう。
もう一つのポイントとして、スネアを叩いた後にスティックが跳ね返って変な方向にいかないようにすること。
上記画像のように、叩き終わった後には打面から1〜2cm浮いた場所で止まるように練習しましょう。
バスドラムの叩き方
バスドラムは右足でペダルを踏んで叩きます。
基本は叩かないときも常に踏んでおき、叩く時には「ちょっと浮かせてすぐ踏む!」というイメージです。
また、カカトは常に浮かせた状態にして、つま先で踏んでいきます。
イメージとしては貧乏ゆすりをする感覚ですね。
注意点として、バスドラムが前にあるのでペダルを前に押すように踏んでしまいそうになりますが、そうではなく上から下に、上から物を落とすようにペダルは真下に踏みましょう。
全体の叩き方
ドラム三点を使ってビートを叩く方法です。上記動画では基本ビートとなる8ビートをとてもゆっくり叩いてみました。
右手の振りは一定になるように、左手はスネアを叩いた後にスネアの面の2cm上でしっかりと止まるように意識しながら叩いてみましょう。
基本ビートパターン5選
それではいよいよ各基本ビートの叩き方を解説していきます。
実践的になっていますので、是非実際に見ながら練習をしてみてください。
また、ビートパターンの見方の補足が3つありますので、練習に入る前にこちらもチェックしてください。
簡易楽譜を使っています
上記で楽譜の見方を紹介しましたが、こちらでは以下のような簡易的な楽譜を使っています。
右手はハイハット、左手はスネア、右足はバスドラムを叩きます。
ちなみにハイハットのペダルは踏んだままでクローズした状態で行いましょう。
ドラムがなくても練習できる!
自宅などドラムが無い状態でも、このように手と足を使って練習することも出来ます。
他にも割り箸を持って箱を叩いたりなどでもOK。実はこれだけでも手足の動かし方が覚えられるので意外に練習になります。
私もドラムを始めたての頃は、まず自宅で手と足で動きを練習して、出来るようになってからスタジオに入ってからドラムで練習していました。
スタジオも料金がかかるので、覚えるのに時間を使うのはもったいなかったりするので、まずは自宅で動きを覚えて、スタジオでは叩く練習をするという流れはとても効率が良くなります。
おすすめ動画も付いています
それぞれのビートで叩けるオススメのYouTube動画も載せているので、ある程度叩けるようになってきたら曲に合わせて練習してみましょう。
また、曲の練習にはポイントがいくつかあります。
- 速度を遅くする
YouTubeには速度を変える機能がついています。速くて叩けない場合にはまずはゆっくりにして練習してみてください - 細かい部分は省く
載せている楽曲にはタム回しやゴーストノートなど様々なテクニックが入っていることがありますが、初めはある程度無視して基本ビートのみで練習してみてください
それでは早速ビート練習に入っていきましょう!
8ビート(エイトビート)
まずはドラムの基礎中の基礎である8ビートから練習していきましょう。
同じ8ビートの中でもバスドラムの位置を替えた3パターン作ってみましたが、まずは定番のパターン①から練習していきます。
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STEP.1右手でハイハットを8回叩きます。(12345678)
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STEP.2右手の3・7回目の時に左手でスネアを叩きます。(・・③・・・⑦・)
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STEP.3右手の1・5・6回目の時にバスドラムを踏みます。(❶・・・❺❻・・)
まずは上記の流れで、まず右手だけ→次に右手と左手→最後に足も合わせるという風に一つずつやってみましょう。
難しかったら初めはゆっくりで構いませんので、「いち・にい・さん・しい・・・」と口で数えながらやってみてください。
慣れてきたら、何小節も続けて繰り返し叩いていきましょう。速度もちょっとずつ速くしてみてください。
パターン1が出来たら、続いてはパターン2・3に挑戦していきます。
こちらは両手は同じですが、バスドラムの位置が変わります。
これらの違ったパターンを練習し、8ビートでどの位置にバスドラムが来ても叩けるようにしておくと、どんな応用8ビートが来ても対応できるようになります。
8ビート練習曲① Imagine/ John Lennon
ジョンレノンの有名曲Imagine。こちらはほとんどが8ビートのパターン1で構成されていて、難しいところも無く速度もゆっくりなので初めはとても練習しやすいです。
動画は10歳の男の子が叩いていますね。ゴーストノートを入れてたりしますが、まずは8ビートパターン1だけで合わせられるので練習してみましょう。
8ビート練習曲② ヒロイン/back number
紹介してきた8ビートのパターンでほとんどが叩けてしまう8ビート練習曲にもってこいの曲です。
テンポもゆっくりなので、合わせて練習してみましょう。
4ビート
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STEP.1右手のハイハットを8回のうち奇数のところだけ叩きます。(1・3・5・7・)
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STEP.2右手の3・7回目の時に左手でスネアを叩きます。(・・3・・・7・)
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STEP.31・5・6回目の時にバスドラムを踏みます。(❶・・・❺❻・・)
8ビートでは1小節に8回ハイハットが入りましたが、4ビートはその4回バージョンになります。(スネア・バスドラムは8ビートと一緒です。)
叩く回数が半分になるので簡単になりそうなイメージがありますが、逆に手と足のリズムが合わせにくくなるのでやってみると少し難しく感じるかもしれません。
こちらも初めはゆっくりと確実に練習していきましょう。
慣れてきたら2、3のバスドラムが違うバージョンも練習してみてください。
4ビート練習曲 小さな恋のうた/MONGOL800
小さな恋のうたはほとんどが4ビートで叩くことができます。
テンポがかなり速くて初めは難しいと思いますので、初めは速度を遅くして合わせてみましょう。
また、Bメロとサビは右手がハイハットではなくライドシンバルになります。手の形が変わって初めは違和感があるかもしれませんが、挑戦してみると楽しいと思います。
頭打ち
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STEP.1右手でハイハットを8回叩きます。(12345678)
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STEP.2奇数部分で左手でスネアを叩きます。(①・③・⑤・⑦・)
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STEP.36・8回目の時にバスドラムを踏みます。(・・・・・❻・❽)
頭打ちは、小節の頭(1・3・5・7)にスネアが入ります。ロック系やパンクなどによく出てきますね。
バスドラムのタイミングがズレないようにしっかりと練習してみてください。
2番は4ビートバージョンになり、ハイハットの回数が少なくなります。ちなみに「こちらの方が簡単」という方が多いので難しい場合には2番から挑戦してみてください。
頭打ち練習曲 Pretty Woman/Roy Orbison
どこかで1度は聞いたことがある洋楽の曲です。バスドラムがなくハイハットとスネアでひたすら頭打ちを続けるので、練習の際にはバスドラムも追加して練習してみましょう。
頭打ちだけの曲はほとんどありませんが、いろんな曲の一部分に多々登場するのでしっかりとマスターしておきたいですね。
裏打ち
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STEP.1右手のハイハットを8回のうち偶数部分のところだけ叩きます。(・2・4・6・8)
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STEP.23・7回目の時に左手でスネアを叩きます。(・・③・・・⑦・)
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STEP.3奇数の部分でバスドラムを踏みます。(1・3・5・7・)
裏打ちは、小節の裏(2・4・6・8)にハイハットが入ります。
手足がバラバラになるので合わせづらいかもしれませんが、こちらもゆっくりと練習していきましょう。
また裏打ちは日本人が非常に好きなリズムパターンで、裏打ちの曲はよく「縦ノリ」という風に言われやすいです。(リズムに合わせて飛び跳ねたくなるようなノリの曲)
オシャレな夏の曲っていうイメージが強いですね。最近のPOPSにはよく使われますので好きな方はしっかりマスターしておきましょう
裏打ち練習曲 夜に駆ける/YOASOBI
基本裏打ち構成となっています。かなりテクニカルな曲ですが、こちらの動画では詳しく解説されているので、初めは速度を落として練習してみましょう。
16ビート
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STEP.1右手をスタートとし、まずは右左の手で交互にハイハットを16回叩きます。
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STEP.25回目・13回目の時にハイハットを叩いていた右手をスネアに変更します
16ビートは、簡易楽譜ではなく一般の楽譜で解説していきます。(上の✕がハイハット・真ん中がスネア・下の音符がバスドラムになります。)
16ビートは1小節に16回もハイハットが入り、片手では難しいのでハイハットを両手で交互に刻むように叩きます。
少し難しいので、まずはバスドラム抜きで、手だけで練習してみてください。
16ビート練習曲 Pretender/Official髭男dism
Pretenderのイントロとサビ部分は16ビートになっています。
その他は難しい部分も出てきますが、一部分でも有名曲を叩いてみるとモチベーションも上がるので是非合わせてみてください。
より上達するビート練習3つのポイント
ビート練習はただ楽譜を見ながら練習するよりも、ちゃんと意識しながら練習すると短い時間でも一気に上達します。
また、練習中に注意しておきたいことも含めて3つのポイントを紹介したいと思います。
これから練習していく上での参考にしてみてくださいね!
1、ドラムの秘訣は”脱力”
ずっと練習していると腕が痛くなってきますよね。そんな時に「もっと鍛えなきゃなー」「ドラムは気合いだー」とさらにチカラを入れてしまうことがありますが、こちらは逆効果です。
剣道やボクシングのように、基本的に体を使うものはチカラを抜いて脱力で、インパクトの瞬間だけチカラを入れます。
逆に、腕が痛くなるのはチカラが入りすぎていることが原因です。
曲を叩く時には3分間以上ずっと叩き続けなくてはいけないので、辛くなってきた時こそチカラを抜いて、どうやったら楽に叩けるか探しながら練習してみてください。
2、ノーミスで叩けるように
ドラムという楽器はミスがとても目立ちます。途中で手が止まってしまった日には曲自体が止まってしまうので、ある程度叩けるようになってきたら、次はノーミスで叩けるように丁寧に練習していきましょう。
ノーミスというのはミス無く叩くだけでなく、「長く叩き続けてもリズムがズレない」というのが大事です。
叩けるようになってきたら速度をドンドン上げていきがちですが、その分雑になってきてしまいます。
初めは「おそすぎる!」くらいで丁度良いですし、確実に叩ける速度でじわじわと速度を上げていきましょう。
3、ドラムにメトロノームは必須
バンドで曲を合わせる時には基本的にドラムに合わせて演奏するので、ドラムが速くなれば曲全体が速くなってしまいますし、全ての曲のテンポを体に入れて置く必要があります。
そのため、曲に合わせて叩くのも楽しいですが、基本的にはメトロノームを使って練習をするようにしましょう。
基本ビートは全てBPM80となっていますが、初めは60くらいに落として、叩けるようになってきたら速度を上げていきます。
ちなみに目安として、100〜120くらい叩けると有名なPOPSなどもチャレンジできるようになります。疾走感のあるロックだと160〜にもなってきます。
また、逆に遅い速度は簡単に思えますが遅い分合わせるのがとても難しくなりますので、速いものと遅いものをバランスよく練習していきましょう。
まとめ
以上ドラムビートについてまとめてきました。
ビートの練習は地味ですが練習すればすぐに叩けるようになるので、楽しみながら練習していってください。
また、飽きないように好きな曲と合わせて練習してみましょう。5つの基本ビートの練習をしておくと、色んな曲を聞いたときに「あ、この曲はこのビートだ!」と分かるようになるので楽しくなってくるはずです。
また、「ビートが上手く叩けない!」となってきた時の原因は「速度が速い」ことがほとんどです。
まずは一度手を止め、「いち・にい・さん・しい」と口で数えながら一つずつ叩いてみるといいですね。
それでも難しい場合には、まずは右手のハイハットだけ叩き、次にスネア・最後にバズドラムを合わせるように叩いてみてください。
ドラムは打楽器なので大きい音が出てストレス発散にもなりますし、かけがえのない一生の趣味にもなります。
挫折しないように楽しみながら練習していってくださいね!